仕事を行うことと時間を使うことは切っても切れない関係にあると思う。

仕事において「時間の節約」を意識するにあたって重要なことを、「ハマトンの知的生活」から引用する。

自分の”限界”をはっきりさせる

徹底的に時間を節約したいと願っている人は、自分が現在打ち込んでいるさまざまな研究リストをつくり、

その各々についてできるだけ正直にその「不完全さの度合い」を書きつけると良いと思います。

こうすれば、今やっているいくつかの研究のうちで、一体どのくらいが完全にできそうか一目瞭然で分かります。

断念せずにこれからも研究を続けることになった対象については、どの程度まで研究を推し進めるのか、

その厳密な限界を設定することが大切。

完全な教養を身につけるには、何よりも明確な限界を設定することが望ましい。

仕事は限られた時間で行わなくては意味がなくなる

一般的に言って、人生の絶頂期を過ぎてしまった人間が、自分の障害をつらつら振り返ってみて

しみじみ思うことは、おそらく、

自分の犯した最大の誤りは、自分が企てた様々な計画を完成するには、どのくらいの時間がかかるものであるのか

十分見越せなかったことであろう。

何をやり、何をせずに置くかを正確に知るには、豊富な経験と優れた智慧がなけらばならない。

実際には、何をやるのかということよりも、何をせずにおくかということの方が、はるかに重要である場合が多いのです。

仕事の完成に要する時間について、人はただでさえ勝手に、驚くような錯覚に陥ってしまうもので、

まして、それが人から聞いたことであれば、尚更簡単に思い違いをしてしまう。

明け方から夕暮れまで、貴重な時間を費やしてできることはほんの少しのことだけなのだ。

人生で大切なことは”選択”すること

”差はスピードでなく、選択能力でつく”

できることなら一定の期間は、焦って悪い結果が生じないように、

仕事の手順をうまく運ぶことが、知的生活の方法の大事な要素になってくる。

そのための秘訣は、一言で言うなら、「選択」と言うことになる。

ある優れた風景画家は、何を書くにせよ、急いで自分の心の平静を絶対に失わないよう、仕事の段取りを決めることに

いつも一番に心を砕いたそうです。

これはなにも風景画を描く場合に限った話ではなく、他の多くのことにも当てはまることである。

この画家はいつも、まず各々のスケッチや習作にどの程度の時間をかけるのか、あらかじめ決めておくのです。

そうしておいてから、眼前に広がる夥しい自然の風物の中から、

描くに値し、かつ、決めた時間内で思うスケッチができる対象を選んだのです。

しかもいくら短くても、その決めた時間を利用するにあたっては常に冷静で慎重でした。

この冷静さと対象を選択する巧みさは、相互に役に立った。

と言うのは、冷静であったからこそ巧みな選択ができたのであり、

各対象を巧みに選択するという智慧があったからこそ冷静になれる時間があった。